今日は矯正で補助的に使用するTAD(アンカースクリュー)について説明します。
TADとは(Temoerary Anchorage Device)の略で歯科矯正用のアンカースクリューやインプラントアンカーと言われています。
小さなスクリュー(ねじ)骨の中に打ち込みます。直径数㎜のものなので殆ど目立ちません。
主にワイヤー矯正において使用することが多いと思います。
局所麻酔を用いて処置時間も短く侵襲性が少ないと言われております。術後の腫れや痛みはほとんどありませんが、一部の患者様で骨との定着が悪いと術後に脱離することがあります。
なぜTADが必要かと言いますと矯正治療において、動かしたくない歯だけを動かして、動かしたくない歯は固定しておきたい場合がございます。
前歯を主に後ろに下げていきたい、口元を下げたいという患者様に使用することが多いです。
矯正治療ではワイヤーで繋がった歯と歯が、お互いに引っ張り合って歯並びを整えていきます。つまり、歯をゴムを用いて動かす際に相反作用で動かしたくない歯も動いてしまうのです。そこで用いられるのはTADです。
固定の種類には
①最大の固定
②中等度の固定
③最小の固定がありますが、
TADは最大の固定で、これを固定源にすれば動かしたくない歯は不動のものとなります。
適応症例としては
①抜歯症例で、臼歯(奥歯)を近心移動(前歯の方に移動)させたくない場合
(前歯だけを後方移動でき、出っ歯が早く治ります)
②歯の圧下が必要な場合
(ガミースマイルで前歯を下げたい場合やかみ合わせで奥歯を下げたい場合などです)
③臼歯(奥歯)の近遠心的(前後)、頬舌的移動(左右)が必要な場合
(奥歯を前に出したいときは手前にねじを打って奥歯を動かせます)
術式としては
①局所麻酔(部分麻酔)
②術野の消毒
③埋入(スクリューを手用ハンドルで埋入します)
という流れになります。
当院では即時荷重(打った当日にTADを用いてゴム掛けをすること)はできるだけ避け、1ヶ月程度の治癒期間を置きます。骨との生着を待ちます。
患者様の注意点は、指や舌で触るなど機械的な刺激を避けて頂きたいです。
勿論すべての患者様にTADを使用するわけではないですが、TADを使うことで矯正期間が短くなったり歯がスムーズに動きます。
元々の歯並びや、がたつきにもよりますが必要になるケースもあります。
他院などではアンカースクリューを施術する際にオプションで費用がかかるところもありますが、
当院では調整料のみで追加料金はありませんので安心してください。
監修者情報
医療法人清翔会 名古屋茶屋歯科 矯正歯科
院長 荒木 孝之(あらき たかゆき)
愛知学院大学歯学部卒業後、愛知学院大学附属病院にて研修。
研修後、医療法人清翔会入社。
グループ医院である岡崎エルエル歯科、名駅アール歯科・矯正歯科、名古屋みなと歯科・矯正歯科などで非常勤として診療し、令和3年エスカ歯科・矯正歯科の院長就任。
エスカ歯科・矯正歯科では保険治療、口腔外科から自由診療である矯正治療、インプラント治療、審美治療まで幅広く治療している。
歯並びでお悩みの患者様に症状に合わせた矯正治療だけでなく、審美性(裏側矯正・マウスピース矯正)に優れた矯正治療を行っている。
グループでの症例実績は2022年1月時点んで8000症例を超える症例数となり、数多くの歯並びでお悩みの患者様に笑顔に自信を持ってもらえるよう優れた矯正治療を行っている。
【略歴】 |
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【所属団体】 |
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名古屋茶屋歯科・矯正歯科
住所 〒455-0858 愛知県名古屋市港区西茶屋2丁目11 イオンモール名古屋茶屋1階
電話番号 052−746−8300