マウスピース矯正にはさまざまな種類があります。独自の治療技術をもつインビザラインをはじめ、リーズナブルなクリアラインなど、マウスピース矯正はシステムごとに特長や価格が異なります。種類が多いため、「どれを選べば良いかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
名古屋茶屋歯科では現在、クリアライン、インビザライン、クリアコレクトの3種類のマウスピース矯正を取り扱っています。
今回は、上記3種のマウスピース矯正に加え、ネットで話題のキレイラインをふくめた4種類のマウスピース矯正にどのような違いがあるか比較してみました。マウスピース矯正をご検討中の方は、ぜひ、ご参考にしてみてください。
■各マウスピース矯正の比較表
■適用範囲、対応可能な症例
マウスピース矯正は種類によって適用できる歯の範囲と対応可能な症例が異なります。
◎適用範囲
キレイラインとクリアラインは上下の前歯12本(中切歯、側切歯、犬歯)のみ、矯正が可能です。奥歯の歯並びや噛み合わせは治療できません。
なお、キレイラインはこれまで前歯のみの適用でしたが、2022年1月に全顎矯正システムの提供を開始しました。現在、全顎矯正可能な新システムが全国のキレイライン提供院に少しずつ広がっていますが、すべての医院にはまだ導入されていません。
インビザラインとクリアコレクトは前歯から奥歯まで、全顎矯正が可能です。
◎対応可能な症例
キレイラインとクリアラインは軽度~中程度の前歯の歯並びの乱れを治すのに適しています。重度の不正咬合や奥歯の歯並び、噛み合わせは矯正できません。
インビザラインは軽度~重度のほぼすべての不正咬合に対応できます。クリアコレクトは全顎矯正が可能ですが、対応できる症例は軽度~中程度までの不正咬合となります。
■検査・スキャン方式、型取り
マウスピース矯正では治療前の検査のほか、マウスピースを作るための歯型の採取(型取り)を行います。
◎検査・スキャン方式
キレイライン、クリアラインともに検査ではレントゲンやCT、セファロなどの撮影機器を使い、患者様の顎や歯、頭蓋骨の形状を撮影します。
インビザラインは上記の撮影機器に加え、iTero(アイテロ)という独自の専用3Dスキャナーを使い、口腔内写真を撮影します(※)。iTeroは患者様の口腔内を立体的に撮影可能なほか、スキャンによる型取りもできる点が大きな特長です。
クリアコレクトは検査でレントゲン、CT、セファロを使い、3Dスキャナーによる口腔内写真の撮影および型取りも合わせて行います。クリアコレクトに対応した3DスキャナーにはTRIOS(トリオス)などがあります。
(※)iTeroによる検査は設備がある歯科医院のみ。
◎型取り
キレイラインとクリアラインはシリコンなどの印象材を使った型取りが必要です。歯の動き具合に合わせ、ステージごとにその都度、歯科医院で印象材を使った型取りを行います。
インビザラインとクリアコレクトは型取りは最初の1回のみです。3Dスキャナーによる型取りのため、印象材を使うことはありません(※)。ステージごとの型取りも不要です。
(※)インビザラインは3Dスキャナーのほか、印象材使用の型取りにも対応しています。
■価格
マウスピース矯正は自費診療になります。原則として保険は適用できません。
◎リーズナブルなクリアライン 価格に幅があるインビザライン・クリアコレクト
クリアラインは8~29万円(税抜)とマウスピース矯正の中ではトップクラスの安さです。キレイラインも21~38万円(税抜)と比較的安価ですが、クリアラインよりも10万円ほど高い価格となっています。
インビザラインは治療方式にさまざまなバリエーションがあるため、価格も幅があります。インビザラインの平均的な治療費用は35~70万円(税抜)程度です。ただし、この金額は部分矯正をふくめた平均費用のため、症例によっては全顎矯正で100万円前後になることもあります。マウスピース矯正の中ではインビザラインはもっとも高額な価格設定となります。
クリアコレクトもインビザラインと同様、治療方式のバリエーションが多く、価格も10~60万円(税抜)と幅があります。こちらも、部分矯正をふくめた平均費用です。症例によってはこれ以上の金額が必要になるケースもあります。
(※)上記の金額は平均費用です。治療費は患者様や症状によって異なります。
■マウスピースの装着時間
マウスピース矯正は矯正効果を最大限に発揮するために、定められた「1日あたりの装着時間」を守る必要があります。
◎1日に20時間以上の装着が必要
キレイライン、クリアラインはどちらも1日に20時間以上の装着が必要です。
インビザライン、クリアコレクトはともに1日に20~22時間以上の装着を必須としています。
■治療期間
矯正治療は歯を動かす治療期間に加え、後戻り(歯並びがもとに戻ってしまうこと)を防ぐための保定期間が必要です。保定は治療期間と同程度の期間がかかります。
◎全顎矯正を行う場合は治療期間が長くなる
キレイライン、クリアラインは上下12本の前歯のみの矯正のため、どちらも治療期間は5か月~1年半程度と比較的短い期間となっています。
インビザラインは全顎矯正に対応しているため、症例によって治療期間が異なります。平均の治療期間は部分矯正で3~6か月程度、全顎矯正で1年~2年半程度です。クリアコレクトも同様に全顎矯正に対応しています。こちらは部分矯正で4~6か月程度、全顎矯正で1年~2年半程度となります。
(※)患者様や症状によって治療期間が異なります。
【症状やご予算に合わせたマウスピース矯正をお選びいただけます】
軽度の前歯の不正咬合で「できるだけリーズナブルに歯並びを治したい」方にはクリアラインがおすすめです。奥歯をふくめた全顎矯正ではインビザラインが第一の選択肢となります。
今回は各マウスピース矯正の概要についてご説明をさせていただきました。システムごとに異なる歯の動かし方や矯正の原理など、もう少しほり下げた解説は別のブログ記事にてお話ししています。よろしければそちらもご参照ください。
名古屋茶屋歯科・矯正歯科
医療法人清翔会 理事長
小池 陵馬
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